MEDIA

2020/3/5
異次元からの旋律のアルバム・レビューをフランスのKoid’9に掲載していただきました。

2019/10/5
ポーランドのラジオ番組「Dark music zone」で乾きゆく旅人がオンエアされました。音源はこちら

2018/5/11
フランスのプログレ雑誌KoiD9に煉獄楽団のアルバム・レビューが掲載されました。
Twitterのフォロワーの方が翻訳をしてくださいました。どうもありがとうございます。
写真の下に掲載しましたので併せてお読みください。

KADATH
The band of Purgatorium
(JPRG Records)
この日本のバンドを紹介するのがかなり遅くなってしまったが、諺にもあるように、遅くてもしないよりはましだ!

KADATH はファーストアルバム「The Dream Quest of Unknown Kadath」を2011年6月30日にリリースしている。このアルバムは今ではもうまったく手に入らないが、2017年10月以降バンドのサイトからダウンロードできるようになっている。バンド名は、バンドを創設したギタリスト菅原浩巳が好きな天才SF作家 H.P.ラヴクラフトの本に由来する。メンバーは、菅原を中心にベーシストの八木泰治、ドラマーの伊藤孝、スティックやサックスもたまにではあるが演奏するキーボードの石井孝治である。

彼らの第二作「The Band of Purgatorium」はすでに2016年9月に発売されている。私がいかに遅れをとっているかがわかるというものだ!このアルバムは6曲で36分弱と短い。それが唯一の欠点だが、最初から最後まで堪能することができる。

アルバムはタイトル曲から始まるが、これはエイリオンの真髄を思い起こさずにはいられない多彩なインストゥルメンタルである。スペーシーなイントロからアコースティックギターのアルペジオのつまびきへ、続いて半ばプログレ、半ばハードロックのキーボードとギターによる激しい演奏へと至るが、始終一貫して荘厳、大仰、桁外れ、すなわち私が好きな大胆で野心的なプログレのすべての要素を感じさせる。次の「Fox」でもテンションは下がらない。それどころか、この曲はネオクラシカルメタルを指向していて、ギターは相変わらず素晴らしく、プログレ特有の高揚感がうまく表現されている。

「The Reaper」はさらに加速する。KADATH はその手を緩めない。ドラマーは嬉々として演奏しながら、メンバーたちがついてくるように発破をかける。キーボードが彼以上にヒートアップしようとする。二人のこのちょっとした掛け合いにギターとベースが加わって、プログレメタルが打ち上げ花火のように炸裂する。「Oni」は最も長く、最もプログレ的で複雑な曲である。特筆すべき点は他の収録曲にもあるが、とりわけこの曲においてはあり余るほどある。連綿と続くテーマ、たくさんのブレーク、豊かでインパクトのあるリズム隊、トップクラスの野心的なミュージシャンたち。ところどころで聞こえてくる日本の民族音楽を思わせる音色。喉から出しているような伝統的な歌唱すらも数秒間だが聞こえる。躍動するキーボード、饒舌なギター。要するに、すばらしい攻撃的なプログレである。

「Tsuki no Uragawa」では、まず卓越したピアノのイントロで一息つかせたあと、ニール・ショーン風の華麗なギターソロが続く。その後、カンタベリー風のサックスが登場するが、後半は主にギターがリードしてメタル色が強まり、ピアノによる静かでロマンティックなフィナーレへと至る。

アルバムを締めくくるのは「Kawakiyuku Tabibito」である。他の曲でも所々にヴォーカルがわずかに入っていたが、この曲では歌が多い。ヴォーカルはベーシストが担当している。最初の三分の一では静かに、それ以降は映画やゲーム音楽のように語っているかのような歌い方である。ここでは全員が熱演している。ドラマーは一瞬たりとも休まず、ギタリストはギターをうならせ、キーボードも存在感を示そうとしている。
大方の人が KADATH の音楽をプログレメタルに分類するのはもっともなことではあるが、それでも私には彼らの音楽はプログレとしか聴こえない。確かに大胆なプログレではあるが、丁寧に作られているだけではないスポックス・ビアードの壮大な「Snow Live」といくつかの差異はあるにしてもイメージは似通っている。したがってプログレメタルのファン以外の方たちにも強くお勧めする。

ブリュノ・カサン

訳 Tsuneko Arakawa


2016/11/30
ユーロロックプレスVol71に煉獄楽団のCDレビューが掲載されました。